アイヌ文化の特徴はなんですか?
アイヌの世界観では,すべてのものが精神性を有し、その中でも力の強いものをカムイ(神様)と呼び、人々が暮らしていくために役に立つ動物や植物のほかに雷や疫病神などもカムイとみなされ、良い神様と悪い神様がいるとも考えられています。さらに、カムイと人間は対等で、互恵関係にあると考えられています。このことは自然やモノを大切に扱うということにつながっています。
古くから伝承されてきた伝統的芸能や工芸技術はどんなものがありますか?
アイヌ文様が彫られた木製の盆を「イタ」、オヒョウ等の樹皮の内皮からつくられる糸を用いて機織りされた反物を「アットゥシ」といい、それぞれ「二風谷イタ」「二風谷アットゥシ」として、2013年に北海道で唯一、経済産業省の「伝統的工芸品」に指定されました。ラムラムノカ(ウロコ・形を模したもの)は、地域に伝わる地模様のひとつとされ、二風谷では木目を縦方向にして彫り、文様と文様の間のスペースをデザインとして埋めるラムラムノカを巧みに使用しているのも、この地域の特徴とされています。また、織り手の体と織り機を固定させて織る方法や道具は、100年以上前からほぼ変わっていません。
アイヌにとって“たいせつなこと”とはなんですか?
アイヌの考え方に「カント オロワ ヤク サクノ アランケプ シネプ カ イサム」という言葉があり、これは「天から役目なしに降ろされたものは一つもない」ということを意味しています。このことは、この世の中に無駄なものはひとつもなく、例えば、生活に用いる道具(民具)を作るための材料となる樹木を山で伐るときに必要な分以上は伐らないようにしていることに表れています。