あなたは何をしている方ですか?
・現代の都市型の暮らしや思考の日常で、誰もが菌を媒介(メディア)に、生き物との関係を育み、センスや判断力を磨くための環境(メソッドやツールやメディア等)デザイン。
・誰もが菌を媒介に日常の中に各々の生命環境デザインをできるシステムの研究。
それをはじめたきっかけと理由は何ですか?
バブル崩壊後社会人になり、都市生活の中で食も情報も全て「加工された世界に受け身で生きている」という無力感の中、デザインを通じて誰もが野生の菌と関われる事に衝撃を受け、自身でもあらゆるものを発酵させ、研究を深めて菌と触れる中で、情報に惑わされず、食・自然・環境に対しての判断力や関わる知恵がついた。また現実の状況や仕組みに対して菌という俯瞰した観点から物事が見れるようになった。
あなたが大切にしていることはなんですか?
母が子供の頃から育んでくれた食環境と父が教えてくれたデザイン。「人基準より微生物基準。」これから社会や人と人の関係が豊かになるには、人を取り巻く環境や生き物とのコミュニケーションできる知恵や感覚を磨くことが、これからの幸福につながる鍵だと感じている。「人対自然」ではなく、人も本来あらゆる生き物との関係性の中に存在し、それを繋ぎなおしていくためのプロセスのデザインが今後の課題だ思う。
キュレーター・岸 紅子コメント
微生物と会話しているに違いないウエダ家の人々。そのクリエーションは職人的でありながらサイバー、伝統的でありながら未来的。米からとれた野生の乳酸菌をプラットフォームに生まれる製品は一癖も二癖もオリジナル。